【雨樋の役割】
雨樋は、屋根に降った雨水を一箇所にまとめ、管や鎖を伝わらせて排水設備に流す役割を担っています。これによって、屋根から落ちた雨水が、建物の外壁や土台を傷めることを防いでいるのです。
雨樋がないと、屋根から直接地面に流れ落ちた雨水が溝や水たまりを作ったり、地面に跳ね返った水が住宅の外壁を濡らしたりすることもありえるでしょう。
【雨樋の故障の原因】
・ゴミの詰まり
雨樋のゴミ詰まりが起きる箇所は、一番多いのが集水器(屋根からの雨水が集まり、下に落ちる継ぎ目。縦樋の最上部)の入り口です。
近くに樹木がある家では90%以上の確率で、ここに落ち葉が溜まって詰まります。その他には、鳥の巣や飛来してきたビニール袋、小動物の死骸であったりと様々なものが詰まり、それが原因で雨樋から雨水が流れずに漏れ出します。
・雨樋の傾斜が原因
ほとんどの雨樋(軒樋)は雨水をスムーズに排水するため、右下がりか左下がりまたはへの字になっています。
しかし、何らかの理由で真逆の傾斜になっていたり、水平になっている雨樋(軒樋)もあります。そのような状態だと大雨時には、雨水がスムーズに流れず、溢れ出してしまいます。
・経年劣化
通常、雨樋の寿命は20~25年です。それ以上経過していて雨樋に穴が開いていたり、外れていたりして雨水漏れがあるようなら、経年劣化と考えた方がいいでしょう。
・風や雪が原因
風や雪で雨樋が破損した場合、通常、雨樋全体に何らかの不具合が生じています。まして風の影響は1Fよりも2Fのほうが受けやすいので業者に雨樋交換工事を依頼したほうがいいでしょう。
ただし!もし、あなたが火災保険に加入済みでしたら、雨樋交換の工事費用が無料(0円)になる可能性があります。火災保険の対象は、火災被害だけでなく「突風や積雪」による被害もカバーされている場合がほとんどです。
【雨樋の破損による被害】
屋根に降った雨は屋根の勾配に沿って下に流れます。雨樋があれば雨水は雨樋を通じて排水溝に流されますが、雨樋がなければ全て軒下に流れ落ち、跳ね返った雨水や泥で外壁が汚れます。外壁や基礎にひび割れがあれば、雨水が外壁や基礎の内部まで浸入する可能性もあります。
地面の排水機能が十分でない場合、屋根から地面に流れ落ちる雨水で家の周囲は雨が降る度に水が溜まり、雨が降る度にジメジメと湿った状態になります。この湿気は、住まいのさまざまなトラブルを引き起こします。
まず、外壁にはコケやカビが生えやすくなり、建物の外観を損ないます。さらに、湿った木材は腐食しやすく、湿気を好むシロアリの餌食にもなりやすいのです。
「雨樋がない家」の多くは「軒※の出がない家」でもあります。軒は、雨樋と同じように雨から外壁を屋根と外壁のつなぎ目は非常に雨漏りがしやすい箇所ですが、軒がないとこの部分が雨ざらしとなり、雨漏りの危険が高くなります。
特に最近多く見られるようになった片流れ屋根では、屋根の上端は軒も雨樋もなく、さらに1枚あたりの屋根面積が広くなるために下端の雨どいに雨水が集中します。雨量が多い場合には雨樋が雨水を処理し切れず、雨水が外壁にはねかかったり雨樋から雨水が溢れたりして、雨水の処理がうまくゆかない場合もあります。
外壁の汚れは見ればすぐに分かりますが、雨水の浸入や湿気による内部の被害は外観から判別することができません。雨漏りやカビなどのトラブルで発覚した時には外壁の内部が腐食していた・・・ということもあります。こうなるとサイディングを外し、内部の腐食した木材から補修する必要があり、改修費用も高額になります。さらに放置すれば建物の強度が損なわれ、地震で倒壊する危険もないとも言えません。
【雨樋の種類】
使用されている多くの雨樋のメーカーです。
クリックするとメーカーの雨樋の商品一覧が見えますので、参考にしてください。
主な雨樋の種類
【形状別】
・半円型
一番一般的かつ典型的な形状の雨樋です。
・角型
最近の新築住宅でよく使用されるようになってきた角型は、半円型に比べて流水量がより多く確保できるため、主流の形状になりつつあります。
・特殊型
東北や北海道などの雪国で使用されています。雪掻きをする際に雨樋を傷めないよう、特殊な形をした雨樋です。
【素材別】
・塩化ビニール
・合成樹脂
・ガルバリウム鋼板
・銅
・アルミニウム
・ステンレス
【雨樋の補修は自己負担なしでできる?!】
雨樋が壊れる多くの理由は自然災害にあります。
住宅を購入される時ほとんど方が加入する火災保険は火事が起きた時だけに対象となる保険ではなく、自然災害によって被害が出た際にも保険が降りる保険です。
そのため、自然災害によって壊れたことが保険会社に認められれば保険金によって雨樋の補修を行うことができるので、自己負担なしで補修することも可能です。
火災保険を利用しての詳しい補修工事に関してはこちら